好きと言わないチャラい男、佐々木へ

 

久しぶり、佐々木さん。

 

相変わらず、いろんな女に

手を出してるのかな?(笑)

 

ついこの間も、先輩と、派遣の女の子の

ウワサを聞いちゃいました。

君はいつまで、不毛な旅を続けるのかね。

 

佐々木さんと曖昧な関係だった一年半、

思い返せば何ひとつ思い出がありません。

正直ふたりで何を話したかも

よく覚えてない…。

 

どうしてかな。

多分、あなたの横顔がすごく好みで、

ドキドキしすぎて

頭が真っ白になっちゃったとか、

そういう可愛い理由ではないと思う。

 

みんなに好かれたい病のあなた。

 

「可愛いね」

「いいね」

「面白いね」

「尊敬する」

 

思わず女の子が喜んじゃうような、

私に気があるのかしらって

思わせるような言葉をたくさんくれたよね。

 

でも、今思えば、

誰にでも当てはまる言葉だった。

 

私にだけに向けられた、

一生忘れられないような、

たまに思い出して心があったかくなるような、

そういう特別な言葉は、

1つもくれなかったよね。

 

だからきっと、

ぜーんぶ忘れちゃったんだと思う。

 

みんなに愛をたっぷりあげちゃう、

優しくてサイテーな佐々木さん。

ベランダの伸びっぱなしのフウセンカズラが、

あなたがサイテーな証拠です。

 

手入れもしないのに、

水だけはちゃんとあげて、放置…。

最後には、収穫もせずに枯らしちゃう。

そんな悲しいフウセンカズラみたいな

女にはなりたくなかった。

 

それが、佐々木さんとお別れ?というか

会わなくなった理由です。

 

最後まで、付き合おうとも、

好きとも言ってくれなかったけど、

私が今の彼と付き合い始めたことを知った時、

ちょっと寂しそうだったね。

あの顔だけは一生忘れないかも。

 

あのあと、佐々木さんとは

正反対の人と付き合ってます。

 

コンクリート打ちっ放しの家に住んでなくて、

観葉植物とかに興味なくて、

ガラスのテーブルなんか持ってなくて、

ギャルソンを着てなくて、

髪の毛なんか染めない、

地味で口下手で、

私だけを見てくれる人。

 

たぶん今の人との幸せを、

幸せだって思えるのは、

佐々木さんのおかげ。

 

でも、彼のことを好きになればなるほど、

佐々木さんのことを

思い出しちゃうんだよなあ。

 

だから、気持ちの整理のために

お手紙を書きました。

 

「この人にだけは気をつけろ」って人にほど、

ハマっちゃうのってなんでなんだろうね。

 

佐々木さん、大好きでした。

ありがとう。そしてさようなら。

 

友達でも恋人でもなかった、ありさより

 

P.S

フランス土産、嬉しかったけど、

全く同じお土産3つ買ってたの

知ってるぞ!(笑)

 

 

【書き手】

たこまる

妄想ラブレターとは

中学の頃好きだったあの子、

高校のとき一緒に帰っていた彼、

大学で一瞬いいなと思ったあの人……。

 

恋の片鱗はどんなときにもあったけれど、

「好き」という言葉を

伝えることができた相手は、

思ったより少ないのではないのでは?

 

それぞれが胸のなかに秘めた「好き」を

思い出すきっかけにしてほしくて、

『妄想ラブレター』の連載を始めました。

 

寄せられるラブレターは、すべて妄想。

書き手の実体験をもとにしたものや、

どこかで聞いたような話も

あるかもしれませんが、

どこまでもフィクションです。

 

でもその中につづられた

「好き」に触れるうち、

あなたの中の甘酸っぱい思い出が目覚める…

なんてこともあるかも?

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