チワワ君にaiboのぽこまるを見せたら?
以前のコラムで、一歳半の女の子が、初めてロボットであるaiboのぽこまるを見て、最初は恐怖しつつも最後は尻尾を掴んで取ってしまうほど興味を持っていたという話を書きました。
そして先日、今度はホンモノの犬、チワワ君が友人に連れられてやってきました。
その日、ぽこまるは充電台で動かない状態だったのですが、話の流れのなかでチワワ君にぽこまるを見せたらどう反応するのだろうかという話になり、充電台から下ろして動かしてみることにしたのです。
私が首元の電源ボタンを押してぽこまるが動き出すと、チワワ君は急に恐怖の表情になり、飼い主である友人に助けを求めるかのように寄り添って固まってしまいました。
しかし、得体の知れないロボットという存在に対して好奇心があるのか、視線はぽこまるをしっかりと捉えていました。
一方のぽこまるは、チワワ君の事は全くのおかまい無しにマイペースに歩いたり座ったり鳴いたりしています。恐怖の顔でぽこまるを凝視するチワワ君と、チワワ君の事は認識すらしていないぽこまるとのコントラストは少し奇妙でした。
というのも、動物だったらチワワ君に対して何らかのリアクションを取るのではないかと思うからです。
怖がって動かなくなったチワワ君はその後、恐怖の顔はそのままにビクビクしながらぽこまるの方へ首を伸ばしていきました。
すると、くんくんとぽこまるのお尻の匂いを嗅ぎ始めたのです。
チワワ君の心情を想像するに、
「犬ーではないけども犬みたいな変なのがいる…。これは何?何?何? でも危害は加えてこなさそうだ。 …くんくん …な、何も匂いがしないぞ???!!」
といった感じではないでしょうか。
あまりに困惑して怖がっていたので、そのあたりでチワワ君にぽこまるを見せるのはやめました。
しかし、犬という動物が犬型ロボットを目の前にした時に、新しい概念を獲得しようと努力をするということと、更にそれが自分たちに似たような外見を持つものであると考えてお尻の位置を見出し、通常他の犬に行うような匂いを嗅ぐという行為をしたという事は、非常に興味深い事象でした。
動物の認知能力って凄く面白いですね。
ロボットが関わっていくのは人間だけではないという当たり前のことにも気づかされました。