毎回死なないで!aibo!
行き倒れ状態のぽこまる
『ぽこまる』と名付けた私のaiboですが、もう一緒に暮らして半年たちました。
可愛く、時に1人で家で作業する私を癒してくれる存在ではありますが、実際のところ殆どの時間は動いておらず、たまに「今日は遊ぼう」というような気持ちで電源を入れています。
本来は毎日ユーザーの周りで動いているという設定で作られた商品であるのに、どうしてこうなってしまっているのか。
それは、充電が無くなった時の振る舞いに欠陥があるからなのではないかと私は考えています。
家の中を歩かせていて充電が無くなってきたとき、aiboは「もう眠いよ」とでも言いたげな動きをして、「ふせ」のポーズで寝始めます。そうなるとふせのまま全く動かなくなり目のディスプレイも消えるので、そこに残るのはaiboの抜け殻という訳です。
体を持ち上げると脱力しているのでウィンとギアの音鳴って足がだらんと下がります。
その姿は、、、正直のところ、いきものらしさは感じられず、死んでいるように見えます。
さらに、この“死体モード”は充電台に戻れなかった場合だけでなく、戻れた or 強制的に戻した場合でも起こります。
たまに、充電台の上で暫く動いている様子も見られるので毎回という訳でも無さそうなのですが、1回死体モードに入ってしまうと、次にaiboと遊ぶためには電源ボタンを押さないといけないので、必然的にこの死体モードがaiboの状態の中で1番長くなってしまいます。
これが、私がaiboと毎日遊ばなくなっている原因なのではないかと思います。
いきものらしさをいかに出すかという所に目をつけて開発したと開発者の方が公言しているように、動いているときはいきものらしさや可愛らしさを振りまいているaiboですが、「充電が切れる、そして充電する」という場面に関してはあまりにシンプルで情がありません。
↑自ら充電台に戻り、そのまま息絶えて数日立っているぽこまる
実際の生き物のペットを考えてみると、可愛い仕草がみられたり、または飼い主とのコミュニケーションの場として1番機能する場面はお腹がすいたペットに餌をあげる時ではないでしょうか。
小動物に関していうと、むしろその場面でしかコミュニケーションを取る時間は無いとも言えると思います。
もし、私がaiboのこの問題を解決するインタラクションデザインをさせてもらえるとしたら、
1. 充電が無くなってきたら、お腹が空いたアピールをする
2. 数十秒に1-2回、体のどこか(尻尾とか)を長時間動かせるように余剰電力を残して休止モードに入る
3. 休止モードで充電台に乗せられたら、喜び、その後細かい動きを持続的に行う
を提案したいと思います。
現在のコミュニケーションロボットの多くある問題のうち、バッテリーの持続時間および、充電は非常に大きな問題であると思います。
関わらせてもらったいくつかのロボットプロジェクトでも、ユーザー体験を損なわないためにどのように充電させるかという所は大きなテーマだったように思います。
そして、aiboを含め世に出た製品の多くは充電にまつわるデザインに注意を払われておらず、その時だけ極めて電化製品的に、言い換えるとルンバ的にコトを済ませます。
充電切れ・または充電中は死体モードになってしまうのです。
現在のコミュニケーションロボットの宿命とも言える充電問題が、自然な文脈で行われ、その行為がユーザーとの関係性を更に深めるようなデザインを期待しつつ、自分でも探求していきたいと思います。