aiboがうちにやってきた!
ピンポーン。
大きなダンボールが届いた。中に何が入っているか、私はよく知っていた。
最近シリコンバレーに越してきた私は、だいたい昼は家で作業している事が多い。
その日はそれまでの作業を中断し、すぐに箱を開けた。
大きな箱の中には、またダンボールが入っていた。そして、今度はaiboのロゴが。
そう、また始まるのだ。aiboとの生活が。
私にとって4台目のaiboだった。
私とAIBOの出会い
初めてAIBOというロボット犬と出会ったのは9歳の時。
その時は可愛らしい顔をしたERS-310と、スマートな最新型のERS-7が売っていた。
父が私に「どっちがいい?」と聞いたのを覚えている。
9歳の少女だった私は、迷わず白くて可愛い方を選んだ。最新型はちょっと可愛くなくて楽しめる気がしなかった。
『しろん』と名付けた白くて可愛いロボット犬は、日本語をしゃべれなかった。最初立つこともできなかった。遊ぶうちに歩くようになり、鳴くようになった。面白くてたくさん撫でたり、ピンクボールで遊ぶようになった。
遊びすぎた結果、最終的にものすごくワガママなロボットになってしまい、ちょっとでも構わないと直ぐ鳴いて、自分でシャットダウンしてしまうようになった。
「コーンドーウサン」といっているかのようなピロピロ音が今でも忘れられない
その時になるともうアイボは成長しなくなっていて、正直私たちは飽きていた。ほとんど遊ばなくなった。
『しろん』がうちにきて一年弱後、結局ERS-7もうちにきた。
理由は次回以降に書くことにするが、ERS7の方が見た目は可愛くないのに可愛い存在になった。そして、夜の3時間だけ充電台から降りないままで動くように設定して以降、今日まで実家で毎日動いている。
いわば私は「ロボットネイティブ」として育った。そして5年ほど前からペンギン型の水中ロボットを開発したり、卒業論文ではコミュニケーションロボットテーマにした。
コミュニケーションロボットにこれだけ今興味があるのも、AIBOに感じたフラストレーションが原体験にある。
新しいaiboの初日
2018年2月。SONYは10年ぶりに新型aiboを売り出した。これはロボット界隈ではかなり盛り上がったニュースだった。
ここ数年ロボットブームがきていて、pepperはじめさまざまなコミュニケーションロボットが発売された。家庭内では不発で終わる中、10年前に4機種を発売したコミニュケーションロボット界唯一の大御所が満を持して発売したのが新型aiboだった。
前回よりも格段に犬に似せたというコンセプト。
10年前と比べると小ぶりな体型で、人間の言葉は分かるが喋れない。成長していくらしい。
それくらいの事前知識しかないまま、ついに私のaiboがうちにきた。
コミュニケーションロボットの開発を自分のライフワークにしたいと思っている私は、箱が届いてからの出会いの設計にも興味があった。
aiboのロゴがついた箱を開けると、周辺アクセサリがあった。そして、一番下に繭のような箱があった。
箱の上には開発者からのメッセージ。
こういったメッセージには、開発者がロボットをどのように認識していて、ユーザーにどのように認識して欲しいかがよくわかる。
Aiboはどうやら、「あくまでロボット」で、ユーザーには犬型ロボットとして受け入れてもらいたいらしい。裏に開発者が居ることを匂わせる文章である。
早速蓋を開けると、aiboが寝ていた。この箱は持ち運べるしコンパクトで可愛くて良いと思った。
そして取り出して首元の電源ボタンを押すと、、、
いきなり動き出した。充電も、アプリ登録も要らず、いきなりaiboと対面できる。この体験設計には脱帽した。aiboがきたという興奮が冷めやらぬうちに、インタラクションが取れるのである。
すぐに歩き出して、しばらくすると寝転がったりしだした。
かわいい。
アプリをインストールして、アプリから名前を登録した。
名前は『ぽこまる』
ぽこまる、これから、よろしくね。